私は昔宇宙へのあこがれから、なんとなく宇宙飛行士になりたいなと思っていました。
その中で、宇宙飛行士になるための条件に裸眼で1.0ないとだめということが書いてあり、当時は裸眼で0.3しかなく絶望した記憶があります。
しかし、近年は金井 宣茂 宇宙飛行士のようにメガネをかけた宇宙飛行士のかたもいらっしゃいます。
そんなわけで、視力に関する基準ってどうなっているのだろうという疑問が出てきたので調べてみました。
今回の記事では、「 宇宙飛行士になるための視力の基準 」についてみていこうと思います。
宇宙飛行士になるための視力の条件
宇宙飛行士になるためには、宇宙飛行士選抜試験を受けて合格する必要があります。
その宇宙飛行士選抜試験には募集要項があり、視力に関する条件として以下のように書かれています。
視力:両眼とも矯正視力1.0以上
(注:裸眼視力の条件はありませんが屈折度等の基準があります。屈折度:+5.50~-5.50ジオプトリ以内、乱視度数:3.00ジオプトリまで、左右の屈折度の差:2.50ジオプトリまで。また、平成20年6月20日時点で、PRK手術・LASIK手術の後、1年間以上を経過して恒久的な副作用がない場合には医学基準を満足します。それぞれ医学検査時に評価します。)
色覚:正常
これを見る限り、メガネでもコンタクトでも矯正後の視力が両目とも1.0あれば受験資格はあるということなんですね。(やったね!!)
ただし、メガネやコンタクトに関しては、屈折度や乱視度数の制限があり、視力が悪すぎる人は受験資格は得られないというのが現状のようですね。
また、レーシック手術など、目の後遺症や失明などが考えられる方に関しては、業務の安全性上、術後の状態を厳しくチェックされるようですね。
地上では当たり前のことが、当たり前でなくなるのが宇宙空間ですからより安全側に振っておくのは妥当だと思います。
若者世代の視力低下とベテランの老眼が影響か?
さて、私が高校生くらいの時は裸眼視力1.0の条件だったと記憶していますが、現在の条件緩和には、やはり若者世代の視力低下が挙げられます。
以下の図は文部科学省が調査した裸眼視力1.0未満の割合の推移を示しています。
これを見ると、令和元年では中高生の裸眼視力1.0未満の割合は6,7割となっています。
この状況だと、宇宙飛行士選抜の受験資格を満たせる人が全体の3,4割になってしまい、その中で勉学、体力ともに優秀な人の割合はさらに下がります。
これが、宇宙飛行士選抜の視力の条件を緩和した要因の一つでしょう。
また、これまでの宇宙飛行士業界を引っ張ってきたベテラン飛行士の方が年齢を重ねて老眼になってきたことで裸眼視力の条件を満たせなくなったのも一つの要因かもしれません。
どちらにしろ、今後は視力に対する医療技術の発達によって、視力による受験資格のハードルは下がってくると予想しています。
色覚テストの重要性
宇宙飛行士選抜の受験資格の1つに「 色覚が正常であること 」があります。
色覚テストは、「どのくらい正確に色を見分けることができるか」を図るテストです。
宇宙飛行士は航空機や有人宇宙船の細かい機器やボタンを色で区別しているケースがあります。
このような場合に、色覚が異常であると誤った操作をしてしまう危険性があるため、この色覚テストは必須です。
視力はメガネやコンタクトで矯正すれば何とかなりますが、いまだ色覚を医学的に矯正できる確実な方法はありません。
そのため、色覚が異常と判断された場合は、その時点で宇宙飛行士候補者から外されます。
やはりかなりシビアな世界ですね…
まとめ
今回の記事をまとめると、「宇宙飛行士になるための視力の基準」は次のようになります。
・両眼とも矯正視力1.0以上
・ただし屈折度、乱視度数の制限有り
・レーシックを受けたものは、経過観察が必須
・色覚が正常である
となります。
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